母親より責任重大!?父親が子育てすることの影響まとめ
近年、こどものIQ、幸福感、非行の防止など様々な種類で父親の子育てへの参加が子供への好影響を与えることが研究でわかってきました。
反対に、父親の育児参加が少なすぎる家庭で育つ子供は、うつ病のリスクが高まっていたり、社会適応ができないということが起こりうることも同時に判明しています。
この記事の目次
海外では盛んに研究されている父親の子育て
離婚で母子家庭が増加している状況を背景に、アメリカでは父親の育児参加が子供の成長に与える影響についての研究が盛んに行われています。
また、そうしたアメリカ同様に、海外の様々な国々でも父親の子育てへの関わりによる子供の成長への影響に関する沢山の研究が進められており、
それらの研究の進歩するにつれて、近年では育児での父親の重要性が注目の度合いを増してきています。
父親で子供の性格は決まる
コネチカット大学の研究所のロナルド・ローナーさんの研究によると、
「子供の性格は父親で決まる」と言われています。
それほど、父親の与える影響は、母親よりも実は大きいと言えます。
具体的に、父親の育児参加でどのような良い影響があるかというと、
根気があり精神的に強い子になり、思いやりと愛情のある、規律を理解して行動できる、自立心を持った優しい子に育つそうです。
また父親が子育てへの関わりの度合いが大きいほど、子供は将来大人になった時の共感性が高いことが心理学の研究で明らかにされています。
父親からの愛情をたっぷり受けて成長する子は、幸福感と生活満足度の高い人間に育つと言われています。
父親が子育てに関わることで、子供は人の気持ちのわかる人間になれるわけですね。
子供のIQや学業、職業にも父親からの影響が!
成長期に父親と多くの時間を過ごし、たっぷりと交流した子供は「新しいことへのチャレンジ精神や達成することへの意欲が高い」「良好な人間関係をもつことができる」「非行に走ることがなく学業は優秀」といった特徴が見られ、父親との時間をあまり持てなかった子供に比べてIQがはるかに高くなっていることなどがわかっています。
また、大人になってからは、自分の能力を発揮する職業について、順調に結婚し幸福な家庭を持つ人生を送る傾向があります。
父親が子育てに参加しなかったらどうなるか
驚く方も多いかもしれませんが、愛情不足についてもまた、父親からの影響の方が母親よりも大きいこともわかっています。
イギリスの調査によると「父親の3歳児神話」というものがあり、
子供が3歳になるまでの期間、父親が子育てのために仕事の時間の短縮や柔軟勤務、育児休業などを行わず、子供と接する時間をあまり持たなかった場合、子供が成長して後々、問題行動が見られることが多くなる傾向があり、社会適応の妨げになってしまったり、低い自尊心や犯罪行為にまでつながってしまうこともあるそうです。
女の子の場合は、子供や夫に対しても過剰に理想化した姿を求めがちになり、その結果強い失望や怒りの感情を抱いて生きるようになります。
男の子の場合は、家庭の中で男性としてのお手本を見つけることができなかった影響で、思春期以降に、男性としての社会適応やアイデンティティの確立に困難を抱きやすくなります。
また、父親不在のまま幼少期を過ごした人は不幸だと感じる率やうつ病にかかるリスクが高いと言われています。
子供は、父親が育児に参加してくれるだけで幸せになることができる
日本では、3歳から12歳の子供と親が接する平日平均時間は、母親が10.1時間なのに対して父親は4.2時間となっていて少なめであることが、「子供との生活に関する意識調査」によってわかっています。
家庭での父親の存在感は、総じて薄いものとなっているのです。
ほぼ母親だけで思春期の前まではなんとか子育てを乗り切ることができたとしても、父親不在の影響は自我を確立する思春期以降に表面化して、理想的な自我の成長を妨げることになります。
子供は、父親と母親という二つの存在の間で微妙なバランスをとることが最も自己確立を成し遂げることがしやすいと言われています。
それだけにお父さんは、そうした子供にとって父性が極めて重要であることをしっかりと認識して、「妻の手伝い」という意識を超え主体的かつ積極的に子育てと向き合い関わることが大切です。
また、こうした父親の意識改革と同時に、そうした事へのの母親の理解と関与も、父子が上質な時間の共有と理想的な信頼関係を気づく上で欠かせない重要なことになります。
大切なのでもう一度簡潔に書きます。
父親の育児参加には母親の理解が不可欠なのです。
さいごに
生物学の研究結果には、赤ちゃんの誕生後1週間、父親は「愛のホルモン」と呼ばれるオシトシンというホルモンが急激に出てくるようになるという報告があります。
つまり、このオシトシンというホルモンによって、父子の絆が強く結ばれるということがわかっています。
また、オシトシンが出てくると同時に、マッチョな男性ホルモンであるテストステロンは減少する傾向にあり、父親はより家庭的な子育てモードに肉体的にも変化していくことが、専門誌『National Academy of Sciences』で指摘されています。
また、『子どもの性格は父親で決まる』という研究結果を発表したコネチカット大学の研究所長、ロナルド・ローナーさんによると、子どもに最も影響力を持つ父親とは
「子どもの言うことをちゃんと聞いてあげて、いつも側にいてあげて、きちんとしたルールを守らせることができる。でも逃げ場がなく窮屈に感じることがないような自由な空間も与えてあげられる」ことげきる父親だそうです。
こうした事すべてをすぐにできるかというと、それは簡単な事ではないかもしれませんが、常に意識して努力する事は可能です。
ローナーさんは同時にこのような事も言っています。
「特別な事をする必要はなく、とにかく多くの時間を子供と一緒に過ごす事が重要」
子供への自分の影響力を知っておもわず身構えてしまうお父さんもいるかもしれませんが、難しく考えず、大切な事は実はとてもシンプルなことなのです。